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2022/09/08

労働基準法の概要

1 労働法制の枠組み


労働者と使用者の労働に関する規制は,労働基準法などの労働法上の強行法規,労働協約,就業規則,労働契約の4つによって規律されています。なお,このうち労働法上の強行法規として,労働基準法の他に,最低賃金法,男女雇用機会均等法,育児介護休業法などの規定があります。

 

2 労働基準法の原則とその例外


労働基準法は,全ての使用者が少なくとも守らなければならない最低基準であると共に,全ての使用者が全ての労働者に対して一律に守らなければならないという一律性という2つの特徴があります。但し,これには例外があり,事業所の過半数の労働者で組織する労働組合か,そのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者との書面による協定である労使協定か,労使委員会の決議(労働条件の審議を行う労使半数ずつで組織された委員会(労使委員会)の5分の4以上の多数決議)により,労働基準法と異なる取扱いをすることも許されます。この例として,いわゆるチェックオフ制度が賃金全額払原則の例外として許容され,いわゆる36協定により法定労働時間を超える労働が許容されることになります。

 

このような例外を除き,労働基準法の定める基準より労働者に不利な使用者と労働者の合意は無効となり,仮にそのような合意が存在したとしても労働基準法の基準が適用されることになります。例えば,労使間で「年休は与えない」ことで合意したとしても,そのような合意は無効であり,労働者には労働基準法に定められた年休が付与されることになります。

 

3 刑事罰及び行政監督


また,労働基準法の規制の多くには,その規制に違反した場合の罰則規定が定められています。この罰則は,違反行為を行った行為者のみならず,その事業主に対しても科されることになります。罰則の内容は,罰金刑だけでなく,重篤な違反に対しては懲役刑が科されることもあります。
さらに,労働基準法を遵守させるために,労働基準監督署などの機関に労働基準監督官が存在し,労働基準監督官には強力な捜査権限等が認められています。

 

 

このように,使用者は労働基準法を遵守することが労働法上強く求められており,労働基準法の内容についても十分理解しておく必要があります。

 

 

 

 

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