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2023/01/12

雇用関係における男女の差別規制の概要

1 男女同一賃金の原則(労働基準法4条)


労基法4条は,使用者に対し,労働者が女性であることを理由として,賃金について,男性と差別的取り扱いをすることを禁止しています。本条は,女性であることを理由として賃金差別を禁止していますので,女性に有利な取り扱いをすることも禁止されます。一方で,年齢,勤続年数,扶養家族の有無・数,職務内容,職務上の地位・責任,勤務成績などの性別以外の理由による賃金差別は,本条には当たりません。

 

労働者が使用者に対し,本条違反の責任を追及し,損害賠償請求(民法709条)や,差額賃金請求(労基法13条)をする場合,その立証責任は労働者が負うのが原則です。しかし,使用者側に証拠が偏っているのが通常です。そのため,裁判所は,労働者が男女間に賃金格差が存在することを立証すれば,女性であることを理由とする差別があったものと推定し,使用者側がその格差を正当化する合理的理由を立証できなければ本条違反が成立するとして,立証責任の一部を使用者側に転換しています。

 

また,裁判になった場合,使用者は,裁判所から,賃金差別等に関する資料として賃金台帳などの提出を命じられることもあります。

 

 

2 賃金以外の男女差別


賃金以外の男女差別,具体的には募集・採用について(均等法5条),配置・昇進・退職について(均等法6条)は,男女雇用機会均等法がこれらを禁止する規定を定めています。

 

男性は基幹業務,女性は補助業務と男女によって自動的に振り分けられる男女コース別雇用制は,均等法5条,6条に違反し違法・無効となります。

 

また,均等法7条は,性別以外の事由を要件とする措置のうち,男女比率等を勘案して実質的に性別を理由とする差別になるおそれがあるとして厚生労働省令で定めるものについて,雇用管理上特に必要があるなど合理的な理由がない限り,講じることができないと規定し,間接差別も規制の対象としています。

 

 

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